現場活動用にヘルメットに装着するヘッドライトも今や、ほんまピンキリでかなりの製品がある中から選ぶのが一苦労ですね。
余談ですが、20年ぐらい前はヘルメットサイドにちっちゃいペンライトみたいなやつで活動していました。もちろんLEDではありません。
現役の皆さんは、どんな基準で選びますか?
この記事では年間出場件数4000件~5000件の救急隊で25年間活動してきたハリーがおすすめするヘッドライトをご紹介いたします。
今はもう現役ではないので使用レビューではなく、もし今私が選ぶならって感じです。
経験から選定基準としては、下に詳しく書いていますがお手頃な値段・適度な明るさ・重さ・防水性・充電式・センサー式・角度調整可能・頭頂部のバンドが無いタイプからチョイスしています。
選定基準
- ゆうても消耗品なんで、ヘッドライトに出せる金額は2,000円程度まで
- 明るすぎても便所の100ワットみたいになるし、そこそこの光量と到達距離で十分
- 雨の日にも出動はもちろんある
- 救急車内でも充電式なら充電可能
- 両手が汚染されていてもセンサー式なら安心
- 角度調整ができないと傷病者や関係者と話す際に相手が眩しい
- 頭頂部にそもそもバンドいる?かっこよくないしぃ。
こんな感じですが、防爆性能を加えるかどうかは迷いましたが、その様な環境下で救急隊が活動することは考えにくいので条件には入れていません。
用語の説明
明るさの指標としてルーメン(lm)、防水性・防塵性の指標としてIPが出てくるので以下で簡単に説明します。
LEDには明るさの指標としてルーメン(lm)が使用されていますが、ルーメン(lm)とは、LED照明の明るさの単位です。
LEDライトが放つすべての光の量の総和で、もちろん大きい方が明るい。。。。はずですが、どの方向の光も計算されるので集光性が同じならという条件が付きます。
ルーメン(lm)具体例
- 45ルーメン(lm) 手元や足元ぐらいなら十分な明るさです。傷病者観察にはこれで十分ですが、SSU(状況評価)にはいささか物足りないレベルです。
- 200ルーメン(lm) 懐中電灯程度の明るさです。傷病者観察はもちろんSSU可能です。
- 400ルーメン(lm) かなり明るいっていうか明るすぎて傷病者観察はちょっとしづらいかも。広範囲の災害現場の確認には適しています。
- 800ルーメン(lm) このヘッドライトで照らされて観察されたらよけい気分悪くなるぐらいの明るさで、救急活動にはオーバースペックです。
IP
IPとはInternational Protectionの略で 電気製品に対する防水・防塵性能 の世界的な標準です。
防水・防塵両方の性能を有する場合はIPの後に二桁の数字が記載されます。前の数字が防水性で後ろの数字が防塵性の等級となります。例えばIP34だと防水性能は3等級、防塵性能は4等級の意味となります。
ヘッドライトに関しては両方表記されているものもありますが、防水性能のみの表記も多いです。しかし防水性能が高ければある程度防塵性能も備えていると思われるので問題はないと思います。
防水性能のみの表記の際は、IPの次にXが表記され最後に等級の数字が表記されます。IPX7とあった場合は防水性能が7等級となります。
参考までの防塵性のみの場合は二桁目にXが表記され、IP7Xとなります。
- IPX3 防雨形 噴霧水に対する保護 鉛直から60°以内の噴霧状に落下する水によって有害な影響をうけない。→救急活動には厳しいです。
- IPX4 防まつ形 飛沫に対する保護 いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響をうけない。→この辺りから救急活動にも使用できるかなっていうレベル。
- IPX5 防噴流形噴流水に対する保護 いかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響をうけない。→安心して使えます。
IPX6 耐水形 波浪に対する保護 波浪または、いかなる方向からの水の強い直接噴流によっても有害な影響をうけない。→誤って消防隊の放水を受けてもセーフ! - IPX7 防浸形 水中への浸漬に対する保護 規定の圧力、時間で水中に浸漬しても有害な影響をうけない。 →ヘルメットを池ポチャ、川ポチャ、海ポチャしてもすぐに引き上げればOK!
IPX8 水中形 水没に対する保護 製造者によって規定される条件に従って、連続的に水中に置かれる場合に適する。原則として完全密閉構造である。→泳げます!
日本工業標準調査会(JISC)電気機械器具の外郭による保護等級より抜粋
救急隊員におすすめのヘッドライトはこちら!
Tinzzi ヘッドライト
価格 1,795円 明るさ 300ml~1000ml 重量 57g 調整角度 90度
防水性能 IPX5 点灯時間 4~10時間 充電方式 USB
センサー 有 保証期間 18ヵ月 その他 電池残量表示 有
必要な機能は全て備えていますし、お値段もお手頃で保証期間も長いのがいいですね。
本体が四角いのでゴーグルとの相性がイマイチ。
Hearkey ヘッドライト
価格 1,580円 明るさ 500㏐ 重量 38g 調整角度 45度 防水性能 IPX5 点灯時間 4~8時間 充電方式 USB センサー 有 保証期間 1年 その他 高弾性ヘッドバンド
おすすめの中では最軽量なので特に女性隊員にはいいと思います。頭が重いと首にも負担がかかり肩こりも起こりますからね。四角ですが小ぶりなのでゴーグルとの干渉もましなようです。
高弾性のヘッドバンドが付いてますが、商品紹介に長さ調整の有無が無いので、ヘルメットに装着できない場合は別でバンド購入の必要があります。
TINMIUヘッドライト
価格 1,700円 明るさ 350lm 重量 82g
調整角度 60度 防水性能 IPX6 点灯時間 最大15時間
充電方式 USB センサー 有 保証期間 1年
その他 電池残量表示有 動画あり この価格帯では最高の防水性能です。
独特な面構えでにらんでいる様ですね。防水性能がピカイチなのでエントリーです。
Ewoleeヘッドライト
価格 2,099円 明るさ 350lm 重量 94g
調整角度 なし 防水性能 IPX4 点灯時間 4~8時間
充電方式 USB センサー 有 保証期間 記載なし
見た目より意外と重たいですが、ライト部分が平たくゴーグルを上に被せることが出来そうなので角度調整がないですけどチョイスしました。
ただし、使用時は角度調整がないので、傷病者観察時の気配りは必要です。
見た目重視の私ならこれにします。
TOYUFREEヘッドライト
価格 1,529円 明るさ 500㏐ 重量 42g
調整角度 60度 防水性能 IPX5 点灯時間 最大12時間
充電方式 USB センサー 有 保証期間 記載なし
こちらも軽くて性能的にも十分なんで、女性隊員におすすめです。
まとめ
ブランド | Tinzzi | Hearkey | TINMIU | Ewolee | TOYUFREE |
価格 | 1,795円 | 1,580円 | 1,700円 | 2,099円 | 1,529円 |
明るさ | 300lm~1000lm | 500㏐ | 350lm | 350lm | 500㏐ |
重量 | 57g | 38g | 82g | 94g | 42g |
調整角度 | 90度 | 45度 | 60度 | なし | 60度 |
防水性能 | IPX5 | IPX5 | IPX6 | IPX4 | IPX5 |
点灯時間 | 4~10時間 | 4~8時間 | 最大15時間 | 4~8時間 | 最大12時間 |
充電方式 | USB | USB | USB | USB | USB |
センサー | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 |
保証期間 | 18ヵ月 | 1年 | 1年 | ? | ? |
その他 | 電池残量表示有 | 高弾性ヘッドバンド | 電池残量表示有 |
比較しやすいように一覧表を載せておきますのでご参考にしてください。
EwoleeとTOYUFREEは保証期間記載がなく問い合わせましたが今のところ回答なしです。
ヘルメットに装着する際は、シリコン製のバンドがずれ難くバンド止めと合わせて使用すればしっかり固定されますのでセットでのご購入をお勧めします。
おまけ
一番上のすごくかっこいいヘッドライトはLedlenser H8R LED ヘッドライトです。スペック的にはもちろん十分ですが、お値段がちょっとお高いのと重いのとセンサーなしなのでおすすめからは落選です。
でも、やっぱ見た目は断トツ一番なんでスペックをご紹介しておきます。
- 【光束】パワー:600lm /ミドル:250lm /ロー:10lm
- 【照射距離】パワー:150m /ミドル:100m /ロー:20m
- 【点灯時間】パワー:10h /ミドル:15h /ロー:120h
- 【使用電池】専用充電池【充電時間(約)】6時間 【保護等級】IP54(防まつ形)
- 【付属品】専用充電池、USBケーブル
- 【本体質量】約158g(電池含) 【本体寸法(mm)】
これのメリットはズバリ!かっちょいい!!
アマゾンでの一番の売れ筋は こちら で確認できます。
こちらが一番売れ筋みたいですが、2個で1,954円!
センサーがついてないので、こちらも落選ですが他のスペックは十分なうえ保証期間も2年なので掲載します。
今日はここまで~。
コメント