救急隊各種統計比較はデーター自体が膨大なため一覧表だけでは伝わりにくい時があります。
そんな時は視覚化したグラフが適していますが、普通のグラフでは要素は縦軸と横軸の二軸になるので年度別の比較でなら問題なく使用できます。
では要素を3つ比較したい時は?
そんな時はエクセルのバブルチャートがお勧めです。
バブルチャートは、主にプロジェクト管理やビジネス分析のために使用される視覚化ツールの一つです。
横軸と縦軸の2軸以外に3つ目のデータをバブルの大きさで表します。
通常のビジネスシーンのプレゼンでは、収益と費用を比較する場合、横軸に収益、縦軸に費用を設定し、バブル大きさは利益を表すことで理解しやすくなります。
プロジェクト管理やビジネス分析の他にも、市場調査やデータ分析など、様々な分野で使用されますが、救急隊もこれをマスターすれば、より効率的な情報伝達が可能になります。
では、例として大都市の救急隊の比較を具体的にやっていきましょう!
今回は、東京・大阪・横浜・福岡・札幌の各消防本部の令和3年の救急年報での比較です。
各都市の数値
これがベースとなる令和3年度の概況(各都市救急年報より)です。これだけを見ると、当たり前ですが東京消防庁は東京都のほぼ全域をカバーしているので全てにおいて他を圧倒してます。
あとは、大阪せまっ!札幌ひろっ!って感じですかね。
管轄面積・全人口・全隊数比較
まずは手始めに各本部ごとの管轄面積、全人口、全隊数の比較です。
縦軸:面積、横軸:人口、バブルの大きさ:隊数
やっぱり上の数値表と同じでほぼ東京都を管轄している東京が全てにおいて群を抜いてます。あとは札幌が人口や隊数に比べて管轄面積が市町村消防ではめっちゃ広いことが視覚的にもわかりやすいです。
縦軸:人口、横軸:隊数、バブルの大きさ:面積
軸を入れ替えるとこうなります。東京は安定の右上です。
このパターンでも福岡と札幌がほぼ同じ隊数なのに管轄面積に大きな差があることがわかりやすいです。
横浜と大阪もさっきと似たようなポジションで、東京のスケールダウンのような感じです。
1隊単位での平均比較
今度は1隊当たりの平均でバブルチャートを見てみます。
縦軸:1隊平均受持人口、横軸:1隊平均受持面積、バブルの大きさ:1隊平均件数
全体数での各都市比較とはかなり違うパターンになりました。
比較のために二つ並べてみてみましょう。
- 札幌はどうしたかて面積はめっちゃ広い
- 東京は隊の平均にすると特に目立たない
ということが視覚的にわかりやすくなりました。
縦軸:1隊平均受持人口、横軸:1隊平均件数、バブルの大きさ:1隊平均受持面積
このパターンでも東京は他都市に飲み込まれます。
二つ並べてみます。
隊別にすると札幌の面積がめっちゃ広いのと面積や人口に比較して他都市より大阪の件数が多いという事も視覚化されました。
縦軸:1隊平均受持ち人口、横軸:1隊平均受持ち面積、バブルの大きさ:1隊平均件数
このパターンはバブルの大きさの違いはわかりづらいですが面積の広さの違いは視覚化できています。
縦軸:1隊平均受持面積、横軸:1隊平均件数、バブルの大きさ:1隊平均受持人口
件数に関しては横浜・福岡がほぼ同じで東京も近いですね。そして大阪が頭一つ抜けており、受持ち面積の狭さ・人口の多さも顕著ではないですが、まあまあわかりやすいグラフです。
札幌の広さはこの軸でも顕著です。
まとめ
【バブルチャートメリット】
・視覚的に分かりやすく、複数の要因を一度に比較できる。
・データの傾向を瞬時に理解できる。
・多数のデータを扱う場合でも、混乱することが少なく、効率的な情報伝達ができる。
・データの可視化により、違いが明確になる。
【バブルチャートデメリット】
・データポイントが多い場合には、混雑して見づらくなることがある。
・バブルの大きさが指標を表している場合には、大きな違いがある場合以外はわかりづらい。
・正確性に欠ける場合がある。
バブルチャートは使い方次第では、非常に有効なツールになります。バブルチャートでまずは伝えたいポイントを可視化して印象を与えてから補足説明をすれば伝えたい内容が相手の腑に落ちやすくなります。
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