日本の【消防・防災ヘリコプター】

救助
https://flyteam.jp/ より引用

全国航空消防防災協議会によると令和5年4月1日の時点において全国の46都道府県で77機の消防・防災ヘリコプターが配備され災害に対応しているそうです。

そのうち30機は東京都と15の政令指定都市の消防機関が保有しており、道府県所有が42機あります。

また、総務省消防庁も消防組織法第50条に基づき5機を保有し東京消防庁、京都市消防局、埼玉県、宮城県及び高知県が無償使用していますが、これはザクっというと大規模災害発生時に国が独自で災害実態を迅速に把握し、速やかに対応を判断するための配置で、1時間以内で日本中をカバーする体制です。

消防・防災ヘリコプターは残念ながら沖縄県には未配備ですが、大宜味村の事故がきっかけとなり2023年導入に向けて予算案など動き出している様です。

全国消防・防災ヘリコプター一覧

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一覧の赤字は国(消防庁)保有し無償運用されている機体で、登録番号:機体記号がJA〇〇FDとなっています。

青字は消防本部保有で全国で15の政令指定都市の消防本部が運用しており、それ以外の黒字が道県保有となります。

愛称もいろいろありますが、大東亜戦争時代の陸軍戦闘機の「隼」「鍾馗」「飛燕」「疾風」等の方がセンスがありますね。公募とかしているところもあるのかな?

消防・防災ヘリコプターの種類

この様に現在は、ほぼ全国カバーが出来ている消防ヘリですが、消防本部(市)が保有しているのもあれば国や県が保有しているのもあり、購入年もバラバラです。

機種別の機数は以下のとおりです。

同色はメーカーや名前が違っていても基本的には同一機種です。

国産の川崎(エアバスと共同開発)も増えてきてますが、まだまだやはり輸入が多いですね。

それぞれの地域での運用法や予算を勘案し機種を選定していると思いますが、いろんな機種を購入しています。

アグスタウェストランド/レオナルドAW139

アグスタウェストランド社(現在はレオナルド社)が生産する15席の中型双発ヘリコプターで、救命救急や要人の輸送、捜索救難などを目的として設計された機体なのでキャビンも十分な広さがあり、最大速度: 310 km/h・巡航速度: 306 km/hと新幹線並みの高速です。

日本国内では60機以上が導入されています。

レオナルドAW169はAW139より一回り小さくAW189は一回り大きい機体となります。

アイルランド空軍仕様
横浜市消防局仕様

AS365

AS365は、アエロスパシアル社(現エアバス・ヘリコプターズ社)が開発した中型双発ヘリコプターで、愛称ドーファン(Dauphin)は、フランス語で「イルカ」を意味しますが鼻先がそれっぽいです。

外見の特徴は尾部テールローターが円筒成形の中心に埋め込まれたフェネストロン形状・主脚が引き込み式になっており戦闘機みたいでカッコいいですね。

エアバス AS365/565:エアバスAS365N3プラス:ユーロコプター AS365/565 ドーファン2/パンテル(エアバス・ヘリコプターズ H155は発展型)が該当します。

会社名が変更したり、改良型などで名前が色々ありますが基本的には同一機種です。

高速・長航続距離の中型双発ヘリコプターとして開発され、世界中で消防防災ヘリコプター・ドクターヘリ・警察ヘリコプター・報道・物資や人員の輸送など、あらゆる用途で運用されています。

アグスタウェストランドAW139の写真と比較するとキャビン後方が細く絞り込まれています。車で例えると4ドアセダンと2ドアクーペみたいな感じでカッコはいですが、スペック的には力仕事は不向きな機体です。

エアバス・ヘリコプターズ AS365/565
ユーロコプター AS365/565 ドーファン2/パンテル
エアバスAS365N3プラス

エアバス・ヘリコプターズ H155

いわゆるドーファンファミリーの一員でAS365N3より大きく、機内で効率的な活動が可能です。

https://flyteam.jp/photo/3640464

ユーロコプター EC225 シュペルピューマ/エアバス・ヘリコプターズ H225

ユーロコプター(現エアバス・ヘリコプターズ)により開発・製造されている大型輸送ヘリコプターで、消防機関では東京消防庁でのみ運用しています。

ちなみに、陸上自衛隊は皇室、首相、国賓などの輸送任務向けに3機保有しているとの事なのでヘリコプター界のロールスロイスファントムみたいな存在です。

陸自VIP輸送仕様
https://flyteam.jp/registration/JA71KT
エアバスH225
タカラトミー トミカ 東京消防庁 消防ヘリコプター こうのとり
事業者限定トミカ 特注品のオリジナルトミカです。

シコルスキー S-76D

老舗のシコルスキー社が双発ターボシャフトエンジンの中型ヘリコプターとして開発し、報道・警察・社用機など広く運用されていますが、そのルックスの良さと乗り心地の良さからVIP機、遊覧飛行にも使われています。

S-76から始まりA,B,C,D型があり、それぞれ搭載エンジンが異なります。D型はエンジン及び主回転翼の変更に伴う余剰出力の向上により最大離陸重量がC型++の5,306 kgから約5,385㎏にアップし、電子機器とディスプレイも備えており、シコルスキー・エアクラフトのS-76シリーズの中で、最も最新かつ高性能なヘリコプターの一つとして、幅広い市場で評価されています。

山梨県消防防災航空隊
VJP仕様

ベル412EP/EPI

シコルスキー社と並ぶ老舗のベル社が開発したベル 412EPはベル 212の発展型で、ベル 412SP⇒変速機を改善した412HP ⇒デュアル・デジタル自動飛行制御システムを備えた412EPと開発されました。

更に412EPをベースにコックピットを10.4インチ液晶多機能ディスプレとタッチパネルなどで、重要な飛行情報を一目で把握することができるシステムとデジタルコンピュータを用いて、航空用エンジンの全ての制御を行う制御装置を搭載した機体が412EPIになります。

SUBARUベル412EPXはSUBARUとベルで共同開発された機体ですが、コックピットを改良しヘリコプター映像伝送装置(ヘリテレ)または赤外線監視装置を搭載しUH-2として2021年度より陸上自衛隊に部隊配備が始まる予定です。

堅実そうな機体ですが、デザイン的にちょっと古いような気がします。

愛知県防災航空隊ベル412EPI
陸上自衛隊UH-2

川崎BK117C-1・2 D-3/エアバス・ヘリコプターズ H145

BK117ヘリコプターは、欧州のエアバス・ヘリコプターズ社と、救急医療、消防・防災、警察、報道、人員輸送、物資輸送などを目的とし国際共同開発した中型双発機です。

D-3は、最新型で、フルフラットフロアを備えた余裕のあるキャビンスペース、多用途性に優れた後部の観音開きカーゴドアも備えています。

https://www.bk117.com/

後部観音ドアなので、ドクターヘリには多く採用されている機体です。

D-3
茨城県防災航空隊

消防・防災ヘリコプターの在り方について

欧米では消防独自にヘリコプターは運用しておらず、必要に応じて警察や軍隊、ドクヘリが出動します。

しかし、広大な国土を持つオーストラリアでは約70機のヘリコプターが消防・防災用として活躍しています。

日本では消防・防災ヘリコプターの運用方法は「森林火災消火活動」「救急活動」「救助活動」「人員・物資搬送」「情報収集」等が挙げられますが、本当に消防が運用や保有する必要があるのでしょうか?

まず、現在日本で保有している消防・防災ヘリコプターでそれぞれの活動について考えてみましょう。

【森林火災消火活動】

  • 森林火災の早期発見や鎮火作業のために消防・防災ヘリコプターは消火剤を積んで火元に投下したり、水源から水を汲み上げて放水作業を行う。
  • 積載できる水や消火剤は限られており、実際には初期消火ぐらいしか効果は望めない。
  • 海外ではより大きなタンクを待つ消防飛行艇が運用されている。
ドッバァ~
チョロッと
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【救急活動】

  • 遠隔地や交通のアクセスが難しい場所での緊急や重傷患者に迅速な医療サービスを遅滞なく提供できる。
  • 必要に応じて高度な医療チームを現場に展開し、生命を救うための診断と治療を提供できる。
  • 大規模な災害対応多くの患者が一度に医療が必要となります。地域内での対応が不可能な場合は他の地域に患者を効率的に搬送し、集中治療施設に患者を分散させるために有効。

【救助活動】

  • 山岳地帯、高地、海上(河川)など、陸上交通が難しい地域では、救助ヘリコプターが唯一の迅速な到達手段となる。
  • 大規模災害での全国から救助部隊の早期投入が可能になる。
  • 救助後、人員と器材があれば機内が処置室として機能しながら医療機関への搬送可能になる。

【人員・物資搬送】【情報収集】

  • 現在日本の消防・防災ヘリコプターで最大の機体はユーロコプターEC225シュペルピューマとエアバス・ヘリコプターズH225であるが全て東京での運用である。
  • それらの機体の定員は25名前後である。
  • 情報取集はどの機体で可能である。

統合型災害対応ヘリコプター運用

結論的には災害対応ヘリコプターは必要です。

しかし、機種購入や維持管理、人件費は大きな負担です。なので、国が運営管理しパイロットや整備士、事務員も国家公務員で採用を行い、活動する隊員は各消防本部からの出向で運用する方法も模索する頃合いかもしれません。

大型~中型ヘリコプターを各地方の人口規模や面積、交通事情などを考慮して各地方に分散することでファーストタッチが早くなりますし、同じ指揮命令系統なら必要に応じて必要な機種が必要な機数だけ集中投入も可能となり、一時的に手薄になった地域には他から進駐出来ます。

派遣される隊員は救助と救急兼任で資格として国際緊急援助隊員で救命士の資格を有しいることとすれば、救助活動も質が担保でき他国への災害派遣時にも役立ちます。海上保安庁や警察救助隊からも出向するようにすれば普段一般救助に出動する機会が少ない彼らのOJTにもなり、海外派遣時のチームのセットアップも効率的にできる様になります。


既にドローンによる救助活動奏功例は多くの報告があります。ゆうてるまに大型ドローンでの救急救助活動や最適な救助方法や救急処置もAIが判断する時代が来るのも時間の問題だと思います。

しかし、そうなるまでの間も間違いなく災害は発生し、多くの時間切れが発生していきます。

New Future Transportation公式サイト

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