【テスラ・モデル3】破壊編

救助

全体構造

モデル3は、モデルSやモデルXとは異なり、ドアパネル、フード、およびフロントのクランプルゾーン(クラッシュゾーン)など一部の部品はアルミニウムで製造されていますが、他は主に鋼材で構築されています。

そのため、救出活動に破壊が伴う場合はアルミニウムと鋼材の違いを理解すること、つまり破壊箇所が選択できるなら破壊しやすい部分を理解しておくことが現場活動ではアドバンテージになります。

Model 3 Owner’s Manualより引用

各部の構造

モデル3には補強ブラケット(フレームまたはボディ内の特定の領域の強度と剛性を高めるために設計された追加の構造コンポーネント)がいくつかあります。

Aポスト

前輪ホイールハウスの後方Aポストの下部にもそれがあり、車のダッシュボードを救助のために押し上げる必要がある場合には、それを避けての活動が必要です。

具体的には、下の図の赤線の間で上方をカットすることをお勧めします。

Bポスト

B ポストは二相鋼で作られており、高強度ですがそれにより切断時に特に問題になるということは、最新モデルのカッターではありません。

また、同じ高強度の鋼材がフロントガラス周辺にも使用されています。

ロッカーシル(サイドシル):ドアの下(両脇)にある細長い部分

この部分はダッシュボードを持ち上げる際にプッシュポイントとして使用できる堅牢な部分です。そしてこの中には高圧線が通っていないため、救助資器材を安全に配置できます。

座席の取り付け金具部分もプッシュポイントとして適した場所ですが、フロアパン(床面)に救助資器材がずれて移動しない様に使用中は細心の注意を払う必要があります。

Bitly

実際の流れ

では、ダッシュボードを救助器具で持ち上げる流れを見ていきます。

電源遮断~安定化まで完了。

ドアのヒンジ付近のスペース確保のために、ボンネットを解放後まずはフロントパネルを変形させる。

フロントパネルが「く」の字型に変形したので、ヒンジ付近のスペース確保ができました。そのスペースにスプレッダーを差し込む。

こじ開けてフロントパネル除去完了。

ヒンジ側・窓枠・ラッチ側とこれまたこじ開けてドア除去完了!

Aポストの内張剥がしてSRS確認後にスプレッダーを差し込み開口部を広げる。

エンジンルーム内部とフロントパネルのダッシュボードを持ち上げる際の「折り目」になる部分にカッターであらかじめ切れ込みを入れる。

Aポストをカッターで切断。

Aポスト窓枠部分(SRSがない部分)も切断。

最後にAポストに再度スプレッダーを差し込み広げていき、ダッシュボードを持ちあげていく。

完了です!

いかがでしたか?基本的には通常の作業と違いはありませんがモデル3の特徴をあらかじめ覚えて、隊で共有しておけば現場で時短になりますよ。

今回の記事の内容も以下のユーチューブ(後半の13:35~)を参考にしていますので、ぜひ動画でご覧ください。

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