日本と海外で、消火の考え方はなぜこんなに違うのか

教育・トレーニング

消防の動画を見ていて、こんな疑問を持ったことはないだろうか。

  • 日本の消防は、すぐ建物の中に入っていく
  • 海外の消防は、外から放水している時間が長い

「海外の消防、なんで中に入らへんの?」
「日本のほうが勇敢なんちゃうん?」

実はこれ、勇気や根性の違いではなく、考え方の違い


日本の消防が「中に入る」理由

日本の消火活動は、最初から人が中にいる可能性を強く考える

  • 木造住宅が多い
  • 住宅密集地が多い
  • 夜間は在宅率が高い

だから日本では、「中に人がいるかもしれない」という前提で動く。

結果として内部に入る消火活動が基本になる。


海外の消防が「まず外からやる」理由

一方、海外(特にアメリカ)の消防は、最初にこんなことを考える。

  • この火災は、今どれくらい危険か
  • 中に入っても、安全に活動できるか
  • 入った結果、救えるものはあるか

ここで「今は危険すぎる」と判断すれば、あえて中に入らない

これは逃げているわけでも、技術がないわけでもない。

最初にリスクを評価しているだけ。


海外では「入らない判断」も評価される

アメリカの消防教育メディアFire Engineering Magazine の解説動画では、こんな考え方が繰り返し語られている。

  • 助けられる命があるなら、リスクを取る
  • 助けられる可能性が低いなら、無理はしない

つまり命を懸ける価値があるかどうかを最初に判断している。

これは、「勇敢かどうか」ではなく指揮官としての責任の取り方の違い。


消火方法が違う=文化が違う

日本と海外では、

  • 建物の構造
  • 街のつくり
  • 人口密度
  • 消防の配置

全部が違う。

だから同じ火災でも、同じ正解にはならない。

海外のやり方をそのまま日本に持ってきても、日本のやり方をそのまま海外でやっても、うまくいかない。


消防士を目指す人に一番伝えたいこと

消防士に必要なのは、

  • 気合
  • 体力
  • 技術
  • 知識

だけやない。それより大事なのは

「なぜ今、その行動を選ぶのか」を考えられること

海外の消防も、日本の消防も、最初にやっているのは放水ではなく、判断


まとめ:どっちが正しい、ではない

  • 日本の消防が正しい
  • 海外の消防が進んでいる

そういう話ではない。環境が違えば、最適な戦い方も変わる

消防士を目指すなら、技術だけやなくその裏にある考え方にも目を向けてほしい。

それが分かると、現場の見え方は確実に変わる。


参考(考え方の元になっている海外解説)

  • Fire Engineering Magazine
    「到着直後の判断と消火戦略に関する解説動画」
  • Fire Engineering Magazine
    「最初の数分間の考え方に関する解説動画」

コメント

タイトルとURLをコピーしました