【緊急度】と【重症度】

救急隊

現場活動ではよく聞きなれた言葉である「緊急度」「重症度」ですが、交通事故を例えにちょっと整理して書いてみました。

あくまでも先着隊としての概論的な内容です。救急現場単独ではより詳細な「救急現場の緊急度判定の導入及び運用手引書」が消防庁より明確に出ていますのでそちらをご覧ください。

緊急度

何をおいても早急に対応が必要⇒時間が最優先⇒ラジカルな活動⇒結果が全て

一言で言うとメッチャやばい状況

重症度

迅速な対応は必要であるが体系的な統制ある活動ができる⇒時間は二次的な要素⇒ロジカルな活動⇒結果も過程も重要

一言で言うときっちりやることやらなあかん状況

隊の活動で重要なのは、まずこの緊急度と重症度の前提条件が統一されていることです。

例1

odanより引用

到着時の車両状況は写真の通り。

車内では運転手が運転席に閉じ込め状態で声かけに応答なし。

その後の現場評価で他の危険因子はなく、車両の安定化済んだので負傷者を観察すると胸部や腹部の動きが無い!

さて、救出優先?CPR優先?全脊柱運動制限優先?

ITLSアクセス 第2版: 救急救命スタッフのための/車両事故における外傷受傷者救出のプロトコール
救急医療スタッフ必携の書『ITLS』『小児ITLS』に続く、病院前の外傷処置テキスト第3弾『ITLSアクセス』の原著最新版(第3版)が完成。本書は、自動車事故に特化した内容で、車両の解剖生理(構造)から始まり、現場の状況評価(救助者自身の危...

考え方

一般家庭内のCPAならCPRをまず実施しますし、高所からの転落による外傷性CPAでもCPRをしながら
全脊柱運動制限も可能な限り実施します。

今回の状況では、これらに救出作業が加わるだけということは、迅速な対応は必要やけど体系的な統制ある活動ができるという事になります。

実際問題としては転覆している車内での処置は難しいので救出活動を優先した方が効果的なCPRを早期に実施できると判断することになりますが、それはロジカルな活動の中でのラジカルな部分となります。

こんな感じでイメージできれば整理しやすいです。

赤色が強くなるほど残された時間が少なくなります。今回の症例はどのあたりでしょうか?

大体でいいので、隊の全員が同じABCDのどのボックスかイメージできるだけでも活動はかなりスムーズになります。

慣れてくれば天秤のイメージの方が早いかもです。

ボックスの位置、天秤の傾き具合、どっちにしても判断できれば⇒活動方針の決定=優先順位の決定=活動断捨離決定となります。

例2

odanより引用

到着時の車両状況は写真の通り。

車内では運転手が運転席に閉じ込め状態で声かけに応答なし。

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重要事項

重要なファクターとして隊能力があります。
隊能力=4名の隊員の総和が少なくとも4+@でないと、ロジカルに判断する際にランクを落とした活動つまり緊急度を優先するしかない活動を選択するしかありません。

まとめ

  • 緊急度高=やばい!
  • 重症度高=訓練で鍛えた技術の見せ所
  • 緊急度も重症度も高=緊急度>重症度
  • ムッチャ簡単に書きましたが、時間経過で状況が変化するので再評価も必要
  • 緊急度が高くてとりあえず引張りだした時などはその時の状況を記憶ではなく記録して、自分と隊を守りましょう

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