【ザンビア】からSOS!

JPR

ザンビアからのメッセージ

以前に消防士ができる海外活動の中でご紹介したザンビアから昨年末突然所属しているNPO:日本国際救急救助支援会:JPRにメッセ―ジが届きました。

日本国際救急救助技術支援会
日本国際救急救助技術支援会 - 「いいね!」6,617件 · 8人が話題にしています · 2人がチェックインしました - 日本が培った消防救急救助技術を海外の途上国へ伝え広めるNPO団体

結構長文でしたが、内容はこんな感じです。

メッセージ

私はザンビアのルサカの救急隊員です。2009年にJPRがザンビアで支援した救急隊:ERT:Emergency Response Teamで活動してました。

しかし、残念ながらERTはその後2012年に解散しており、新しい救急隊の誕生が国民の切実な願いでした。

そのため私は元ERTメンバーや医師たちに連絡をし、ザンビアの救急医療システムの再構築に取り組んでいます。

現在の進捗は今年の1月に新しい機関として登録されたので、次は各機関と協力し早い時期の運用開始を目指しています。

今後は交通事故やその他の外傷事件などの事件に対応するために、24時間体制のコールセンターを備えた継続可能な組織とするために警察組織や保健省などの機関に組み込まれることを希望しています。

上記以外に以前のERTと違う点は、我々のチームでは組織を適切に運営するために意思決定は理事会で行います。

新チームの具体的な一番の目的は交通事故による防ぎえた死者を減らすことにあります。システムが構築できれば何百人という人の命を救うことが可能です。

2021年にザンビアは32,000件以上の交通事故を記録し、1,757人が死亡し、2,988人が重傷を負いました。

死者の多くは何の医療援助も受けておらず、また負傷者のほとんどはトラックなどの荷台に乗せられ、なんの処置も受けずに病院に搬送されるなど、誤った取り扱いのために脊椎損傷を負うケースも少なくありません。

チームはボランティアで構成員は消防士、医師、弁護士、警察官、救急インストラクター等です。

長期的な計画としては、これらのサービスが社会的地位に関係なくすべての人に利用できるように、私たちの国の10州すべてに拡大することです。

今回はERTの支援実績のあるJPRとも運用に向けて新たな協力体制を構築したいと考えご連絡いたしました。

私たちには強い意志があります。是非ご協力をお願いいたします。

ザンビアの交通事故の現状

ザンビアの交通事故の現状も添付されてきていました。

比較するためにザンビアと人口数の近いカザフスタンとエクアドルの交通事故による死亡率を調べてみました。

国名      総人口      交通事故による死亡率
カザフスタン  18,513,673人   12.7(10万人当たり)
ザンビア    17,861,034人   20.5(10万人当たり)
エクアドル   17,373,657人   20.1(10万人当たり)

次に日本との比較です。

国名    総人口       交通事故による死亡率
日本    126,264,931人   3.6(10万人当たり)
ザンビア  17,861,034人   20.5(10万人当たり)

GraphToChart. 「ザンビアの交通事故による死亡率(推移と比較グラフ)」. 最終更新:2021-03-20. https://graphtochart.com/health/zambia-mortality-caused-by-road-traffic-injury-per-100-000-people.php,(参照日時:2022-02-27)

メッセージ、送ってきた図、こちらで調べた統計ではそれぞれ死者数が一致しませんが、調査方法や統計の取り方などの違いからだと思います。

ザンビアの交通事故現場

いずれにせよ、現状としてERTが消滅した今は病院前救護に関してシステムが存在しないので、なんとか再構築したいという強い願いです。

初めてのミーティング

ザンビア側と調整し2月13日に第1回目のリモートミーティングを開催し更に以下の情報を得ました。

  • JICAとは繋がりがある
  • テキストはBasic Trauma Life Support(現ITLS)を使用している
  • 救急車等の資機材と知識不足のための支援要請
  • 技術指導についてオンラインでも可能
  • メンバーは20名程で全員ボランティアである
  • 病院には救急車がある場合もあるが病院間搬送が主である

現地時間の日曜日の早朝に実施されたにもかかわらず、ザンビア側からは8名が参加してくれてました。

整理するとこんな感じです。

今後について

今後は更に情報収集を行い、まずは問題点の抽出をして一度抽象的に捉えてから具体化にほぐして優先順位をザンビアメンバーと協議しながら決定し、できることから実行してこうと考えています。

上記の赤字部分が早い時期にリモートでも始められる支援となります。

もちろん、救急現場のことだけを支援したところでシステム的には欠陥品になるため医療機関と通報システムを合わせた三点セットが必須となります。

そのため予算面やJICAや外務省、ザンビア政府などの他の機関との調整(ザンビア国内ではすでに根回しが始まっている模様)など時間と労力がかなり必要な案件になることは間違いないです。

最後にちょっと見にくいですが、彼らが描く最終的なイメージを見てください。

また、逐次進展があればアップしていきますのでお楽しみに!

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