救急救命士国家試験対策|第49回試験を参考にした解剖生理の基礎確認問題
救急救命士国家試験では、救急現場での判断力だけでなく、人体の構造と機能を正しく理解しているかも問われます。 特に、神経、血液、呼吸器、循環器、消化器、生殖器などの基礎医学は、現場活動の土台になる重要な分野です。
この記事では、第49回救急救命士国家試験の出題範囲を参考に、解剖生理・人体構造に関する基礎確認問題を学習用に再構成しました。 国家試験の原文をそのまま転載するのではなく、出題意図を踏まえて、復習しやすい練習問題として作成しています。
注意:
本記事は、第49回救急救命士国家試験の出題範囲を参考に、学習用に再構成した練習問題です。
問題文・選択肢・選択肢順・図は、理解しやすいように編集・加工しています。
そのため、公式問題の選択肢番号や正答番号とは一致しない場合があります。
公式の問題文・正答・図表については、必ず厚生労働省等の公式資料をご確認ください。
基礎確認問題
まずは問題を解き、その後に解説を確認してください。 正解することだけを目的にするのではなく、「なぜそうなるのか」を救急救命士標準テキストに戻って確認することが大切です。
問題1 中枢神経と末梢神経の分類
神経系は、中枢神経系と末梢神経系に大きく分けられます。 次のうち、末梢神経系に分類されるものはどれか。1つ選べ。
- 大脳皮質
- 視床
- 小脳
- 脳神経
- 延髄
考えるポイント
- 中枢神経系は、脳と脊髄で構成されます。
- 末梢神経系には、脳神経や脊髄神経が含まれます。
- 名称に「脳」と入っていても、脳神経は末梢神経に分類される点に注意します。
解答
正答:4
解説
脳神経は、脳から出入りする神経ですが、分類上は末梢神経系に含まれます。 一方、大脳皮質、視床、小脳、延髄は中枢神経系に含まれる構造です。 救急救命士国家試験では、単なる名称の暗記ではなく、「どの分類に入るか」を整理しておくことが重要です。
復習ページ:改訂第11版 救急救命士標準テキスト p.74、関連 p.76
問題2 鎖骨上窩の陥凹と上気道閉塞
呼吸状態の観察では、胸郭の動きだけでなく、頸部や鎖骨周囲の陥凹にも注意します。 吸気時に鎖骨上窩の陥凹が目立つ状態として、最も考えやすいものはどれか。1つ選べ。
- 軽度の脱水
- 上気道閉塞
- 高血糖
- 下肢の浮腫
- 徐脈
考えるポイント
- 吸気時に強い陰圧がかかると、鎖骨上窩や肋間が陥凹することがあります。
- 上気道が狭くなると、空気を取り込むために努力呼吸が強くなります。
- 観察所見から呼吸困難の重症度を考えることが大切です。
解答
正答:2
解説
上気道閉塞では、吸気時に空気が入りにくくなり、強い吸気努力が必要になります。 その結果、鎖骨上窩や胸骨上窩、肋間などに陥凹がみられることがあります。 これは、呼吸困難を評価するうえで重要な観察ポイントです。
救急現場では、酸素飽和度だけに頼らず、呼吸の音、姿勢、努力呼吸、陥凹呼吸の有無を組み合わせて評価します。
復習ページ:改訂第11版 救急救命士標準テキスト p.63
問題3 白血球の機能と赤血球の役割
血液成分には、それぞれ異なる役割があります。 次のうち、白血球の主な機能としては最も適切でないものはどれか。1つ選べ。
- 細菌などに対する防御
- 異物の貪食
- 炎症反応への関与
- 免疫反応への関与
- 酸素の運搬
考えるポイント
- 白血球は、生体防御に関わる細胞です。
- 酸素運搬は赤血球の主な役割です。
- 血液成分ごとの役割を混同しないように整理します。
解答
正答:5
解説
白血球は、細菌や異物に対する防御、貪食、炎症反応、免疫反応に関わります。 一方、酸素運搬はヘモグロビンを含む赤血球の主な役割です。
出血、ショック、感染症などを理解するうえでも、血球成分の基本的な役割は重要です。
復習ページ:改訂第11版 救急救命士標準テキスト p.132〜133
問題4 細胞内液の主な陽イオン
体液の理解では、細胞内液と細胞外液で多く含まれる電解質が異なることを押さえる必要があります。 細胞内液に多く含まれる代表的な陽イオンはどれか。1つ選べ。
- H+
- K+
- Ca2+
- Zn2+
- HCO3–
考えるポイント
- 細胞内液ではカリウムイオンが多く含まれます。
- 細胞外液ではナトリウムイオンが多く含まれます。
- 輸液、脱水、電解質異常の理解につながる基礎です。
解答
正答:2
解説
細胞内液に多く含まれる代表的な陽イオンはカリウムイオン K+ です。 細胞外液ではナトリウムイオン Na+ が多く、細胞内液と細胞外液ではイオン組成が異なります。
救急救命士にとって、電解質の理解は心電図変化やショック、輸液管理を学ぶうえでも土台になります。
復習ページ:改訂第11版 救急救命士標準テキスト p.55〜56
問題5 喉頭・気道周囲の軟骨構造
気道確保や喉頭の理解には、喉頭周囲の軟骨構造を整理しておく必要があります。 喉頭の前面に位置し、いわゆる「のどぼとけ」として体表から触れやすい軟骨はどれか。1つ選べ。
- 舌骨
- 気管軟骨
- 甲状軟骨
- 輪状軟骨
- 披裂軟骨
考えるポイント
- 甲状軟骨は喉頭の前面に位置する大きな軟骨です。
- 輪状軟骨は甲状軟骨の下方にあります。
- 気管軟骨はさらに下方の気管を支える構造です。
解答
正答:3
解説
甲状軟骨は喉頭の前面にある大きな軟骨で、成人男性では体表から突出して見えることがあります。 気道確保や頸部観察では、甲状軟骨、輪状軟骨、気管軟骨の位置関係を理解しておくことが大切です。
現場では、解剖学的なランドマークを理解していることが、気道評価や処置の安全性につながります。
復習ページ:改訂第11版 救急救命士標準テキスト p.90〜91
問題6 胆汁を生成する臓器
消化器系の臓器には、それぞれ異なる働きがあります。 図のA〜Eのうち、胆汁を生成する臓器はどれか。1つ選べ。
- A
- B
- C
- D
- E
考えるポイント
- 図中のA〜Eが、それぞれどの腹部臓器を示しているかを確認します。
- 胆汁を作る臓器と、胆汁を貯める臓器を区別します。
- 胆汁を生成するのは肝臓です。
解答
正答:A
解説
図中のAは肝臓を示しています。 胆汁を生成するのは肝臓です。 胆のうは胆汁を作る臓器ではなく、肝臓で作られた胆汁を貯留・濃縮する役割を持ちます。
腹部外傷や腹痛の評価では、臓器の位置と働きを結びつけて理解しておくことが重要です。
復習ページ:改訂第11版 救急救命士標準テキスト p.114〜115
問題7 上皮組織の代表例
人体を構成する組織には、上皮組織、結合組織、筋組織、神経組織などがあります。 次のうち、上皮組織に分類されるものはどれか。1つ選べ。
- 脂肪組織
- 心筋
- 神経
- 粘膜
- 平滑筋
考えるポイント
- 上皮組織は、体表や管腔の表面を覆う組織です。
- 粘膜は上皮を含む構造として理解します。
- 筋組織や神経組織とは分類が異なります。
解答
正答:4
解説
粘膜は、消化管や気道などの内面を覆う構造で、上皮組織と関係します。 脂肪は結合組織、心筋と平滑筋は筋組織、神経は神経組織に分類されます。
組織の分類は基礎的ですが、外傷、炎症、感染、出血などを理解する入り口になります。
復習ページ:改訂第11版 救急救命士標準テキスト p.53〜54
問題8 女性内性器と性腺刺激ホルモンの作用部位
女性生殖器と内分泌の関係では、下垂体から分泌されるホルモンがどこに作用するかを整理しておく必要があります。 図のA〜Eのうち、下垂体前葉から分泌される性腺刺激ホルモンが主に作用する部位はどれか。1つ選べ。
- A
- B
- C
- D
- E
考えるポイント
- 図中のA〜Eが、女性内性器のどの部位を示しているかを確認します。
- 性腺刺激ホルモンには、FSHやLHがあります。
- FSHやLHは卵巣に作用し、卵胞発育や排卵などに関わります。
解答
正答:C
解説
図中のCは卵巣を示しています。 下垂体前葉から分泌される性腺刺激ホルモンであるFSHやLHは、主に卵巣に作用します。 卵巣では、卵胞の発育、排卵、女性ホルモンの分泌などが行われます。
女性生殖器の問題では、名称だけでなく、ホルモンの作用部位と働きをセットで確認することが大切です。
復習ページ:改訂第11版 救急救命士標準テキスト p.122〜123、p.126〜127
問題9 体表からみた心尖部の位置
心臓の位置を体表から考えることは、循環器の理解や身体観察につながります。 図のA〜Eのうち、健常成人の心尖部の位置として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- A
- B
- C
- D
- E
考えるポイント
- 図中のA〜Eが、胸郭上のどの位置を示しているかを確認します。
- 心尖部は左胸部下方に位置します。
- 体表では、左第5肋間で左鎖骨中線やや内側付近が目安です。
解答
正答:C
解説
図中のCは、左胸部下方の心尖部に相当する位置を示しています。 健常成人の心尖部は、一般に左第5肋間で左鎖骨中線やや内側付近に位置します。 胸部観察や聴診部位の理解にもつながるため、胸郭上の位置関係として整理しておくことが重要です。
循環器の問題では、心臓の構造だけでなく、体表からどの位置にあたるかを問われることがあります。
復習ページ:改訂第11版 救急救命士標準テキスト p.63、関連 p.99
問題10 脊髄横断面と髄膜・白質・灰白質の位置関係
脊髄の横断面では、外側と内側で構造が異なります。 次のうち、脊髄横断面で最も内側に位置するものはどれか。1つ選べ。
- 硬膜
- くも膜
- 軟膜
- 白質
- 灰白質
考えるポイント
- 髄膜は外側から硬膜、くも膜、軟膜の順に位置します。
- 脊髄実質では、白質が外側、灰白質が内側にあります。
- 脳と脊髄で灰白質・白質の位置関係が異なる点に注意します。
解答
正答:5
解説
脊髄の横断面では、外側に白質、内側に灰白質があります。 また、脊髄の周囲は髄膜に包まれており、外側から硬膜、くも膜、軟膜の順に位置します。
神経系の問題では、名称だけでなく、外側から内側への順序を整理しておくと理解しやすくなります。
復習ページ:改訂第11版 救急救命士標準テキスト p.67、p.72〜73
まとめ|人体の構造と機能は、現場判断の土台になる
今回の10問では、神経、呼吸器、血液、体液、気道、消化器、生殖器、循環器、脊髄など、基礎医学と解剖生理の重要項目を確認しました。
救急救命士国家試験では、単に用語を覚えているかだけでなく、構造、機能、位置関係を理解しているかが問われます。 たとえば、鎖骨上窩の陥凹は上気道閉塞や努力呼吸の理解につながり、心尖部の位置は胸部観察や循環器の理解につながります。
過去問や練習問題を解くときは、正解・不正解だけで終わらせず、必ず救急救命士標準テキストに戻って根拠を確認しましょう。 その積み重ねが、国家試験対策だけでなく、将来の救急現場での観察力にもつながります。
再確認:
本記事は学習用に再構成した練習問題です。
公式の問題文・正答・図表については、必ず厚生労働省等の公式資料をご確認ください。

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