景気、賃上げ、減税、給付金。
どれも重要な論点ですが、議論の仕方には共通した問題があります。
それは、「火が大きくなってから対応する」発想になりがちだという点です。
消防・防災の現場から日本経済を見ると、現在の状況は次のように映ります。
防災で最も被害が大きくなる対応とは
火災対応で最も危険なのは、
・火が拡大してから
・大量放水で一気に消そうとし
・現場の疲弊や二次被害を考慮しない
というやり方です。


これは結果として、被害を拡大させる対応になります。
経済政策も同様です。
日本に必要なのは「防災型の現実的な経済運営」
結論はシンプルです。
成長は市場に任せ、生活は制度で下支えする。
これは防災で言えば、
・延焼を防ぐ
・人命を最優先する
・現場が継続できる体制を整える
という、地味ですが最も確実な考え方です。
① 大企業への課税は「一律」ではなく「火元対応」
防災で重要なのは、建物全体を水没させることではなく、
危険な火元を的確に抑えることです。
経済政策でも同様に、
・一律の法人税引き上げではなく
・狙うべきは
- 独占的な利益
- 投機的な利益
- 過度に滞留した内部留保
といった、市場を歪めている部分です。
働いて生み出した付加価値は抑制せず、 歪みの原因だけを是正する。
これは防災でいう「ピンポイント消火」に近い考え方です。
② 国民支援は「減税」より「固定費の軽減」
所得税をわずかに下げても、生活実感はほとんど変わりません。
一方で、
・社会保険料
・医療費
・教育費
・エネルギーコスト
といった、毎月必ず発生する固定費が下がると、生活は確実に安定します。

これは防災で言えば、
延焼を防ぐための防火帯を事前に設けることと同じです。
③ 中小企業には「無理な賃上げ要請」をしない
人員や装備が不足した状態で現場に出動させることは、
消防では最も避けるべき判断です。
中小企業に対しても、
・賃上げ要請だけを行う
→ 倒産や雇用喪失につながる
という結果を招きかねません。
現実的な対応は、
・社会保険料負担の軽減
・原材料高への緩和策
・省力化・デジタル化支援
によって、まず体力を回復させることです。
体力がついて初めて、持続的な賃上げが可能になります。
④ 人への投資は「最前線」に集中させる
防災で最も重視すべき場所は、
・指令機能
・現場隊員
・医療・救急・介護の体制
です。
経済でも同様に、
・一時的な給付金より
・現場に直接効く投資
が重要です。
具体的には、
・医療・救急・介護の待遇改善
・教育現場の人員確保と裁量
・子育て世帯の実質的な負担軽減
不安が軽減されると、人々は自然に消費し、行動を始めます。

なぜこの路線は政治で語られにくいのか
理由は明確です。
・分かりやすいスローガンにならない
・即効性が見えにくい
・派手さがない
しかし、防災の世界では明らかです。
派手な対策ほど、失敗した時の被害は大きい。
消防・防災で例えるなら
・極端な対策
「水量最大で一気に消す」
・別の極端
「建物を強化すれば燃えない」
・現実的対応
「延焼を防ぎ、人命を守り、確実に鎮火させる」
被害が最も少ないのは、最も地味で、最も現場を理解した方法です。
まとめ
日本に必要なのは、極端な政策を取らない勇気です。
大きな夢や強い言葉はありません。
しかし、生活と現場を確実に支える力があります。
これは経済論であると同時に、防災の思想そのものです。


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