【トリアージ】

消防


トリアージとは助けない命の選定である

なんか、いきなりズド~ンとおもたい言葉で始まりましたが、今回はトリアージについてです。

現在はトリアージの概念も多くの組織で認知され、医療関係者や救急隊員だけでなく消防職員や警察の救助隊も訓練でいわゆる一次トリアージをすることが何とか形の上では出来るまでになっていますね。

一次トリアージは医療や医学の知識は必要なく正しく基準に沿ってチェックすることと、すみやかに最低限のタグ記入を正しくすることができればOKで、まあ心肺蘇生でいうとこのBLSみたいなもんなんで、それこそ学校の授業でも教えたら小学校の高学年ならできます。まじで学校教育に取り入れてもらえれば実施者が増えるんで有益であることはまちがいありません。

そもそもトリアージとはなんぞやとなると、限られた医療資源で1人でも多くの命を救うことを目的につくられたシステム!です。ここ大事

トリアージ=多くの命を救う=助けない命の選定

トリアージの目的である「多くの命を救うこと」を抽象化していくと⇒「誰かを助けないこと」⇒「助けない命を選定すること」ですので「多くの命を救うこと」=「助けない命を選定すること」になります。

「助けない命を選定すること」を今度はトリアージの基準で具体化してみると「気道確保しても無呼吸が改善しない人」=「黒タグ」となり、大規模災害時の限られた医療資源や時間の中で非常によくできたシステムであると言い切れます。

事実として阪神淡路大震災では各機関の連携の悪さが露呈しましたが、その後に年々改善され東日本大震災時にはトリアージから搬送、病院収容まで混乱しながらも広範囲にわたる被災地域から被災を免れた地方に多くの傷病者を適切に分散搬送できたのは搬送までに数度にわたるトリアージが効力を発揮しました。

被災地域が広範囲ではありましたが、日本全国で考えれば被災していない地域の方が多く、そこでは医療力が健在でトリアージと搬送さえスムーズであれば対応可能の範疇でした。

では、もっと広範囲な災害が発生した場合にはどうでしょうか?

odanより引用

トリアージが崩壊するケース

例えば他国からミサイルで各主要都市を攻撃された場合には国内の主な医療力はほぼ期待できず、残されたわずかな地方都市の医療力と数日後に到着するであろう海外からの医療支援部隊に頼るしかない状況で考えてみましょう。

まず、現状でもトリアージの優先順位は相対的に変化します。つまり医療力が負けている時には赤タグの中でも搬送順位をトリアージして順番を決めますが、医療力に余裕が出来れば黒タグであっても搬送対象になることは十分あり得ます。

このロジックから考えると、ミサイル攻撃で日本の主要都市が壊滅した場合に確実に多くの命を救うために、医療スタッフや医療資源および時間をあまり必要とせず長時間の搬送に耐えうる負傷者を優先した方が最終的に助かる命は増える可能性が高くなるので、赤タグでもその条件に合う負傷者を優先することになります。

odanより引用

つまり時間や労力を多く費やす必要のある赤タグの負傷者の搬送順位は、医療力が圧倒的に負けている時には黒タグと優先順位は同じになります。

繰り返しますが、目的は「多くの命を救う」です。いつ医療機関に収容できるかわからない状況下では優先順位を相対的に考えることが必要です。

トロッコ列車のパラドックスと同じような状況なので何が正解かは難しいですが、普段から頭の片隅にこのような状況もあり得ると頭の中でトレーニングして悶々とすることで、いつか現場で役立ちますよ。

今のトリアージで欠けているもの

次は基本的なトリアージによる優先順位が決定できる状況で「多くの命を救う」方法を考えてみます。

結論は、救急救命士の処置拡大です。

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二次トリアージはPAT法で実施しますが、一般の消防職員や練度の低い救急救命士には無理です。しかし、一定数の救急救命士はPAT法の観察も、経験の浅い医師よりはよっほどしっかりできます。

普段から現場活動でしっかり診て聴いて感じて(視診聴診触診)をしていれば年に数回は教科書的な症状にも遭遇しています。

そんな彼らが致死性の高い病態に遭遇した時に相応の処置ができれば医療スタッフがいるテントに負傷者がたどり着くまでの時間稼ぎが可能になります。

治療ではなく、あくまでも応急的な処置として、呼吸がない⇒気道確保で呼吸あり⇒赤タグと同様です。

例を挙げると

  • 緊張性気胸
  • 大量出血
  • 顔面外傷や熱傷による気道閉塞

等に対する処置です。

どれも分単位の猶予もない場合が多いです。

もちろん大規模災害時だけではなく、病院まで命を繋ぐために通常の活動でも必要な処置です。

これって「助かる命を助けたい」って言っているなら議論する必要はないですよね?
必要があるのは、その実施方法や教育方法、資格の更新方法です。

医師法がぁ~とか、失敗したら誰が責任を~とか、医師でもないのにできんやろ~とか聞こえてきそうですが、そんなん命より大事なん?助かる命を助けたいって言葉だけ?ってことです。

なんか間違ってます?

これを否定するのは、「トリアージとは限られた医療資源で1人でも多くの命を救うことを目的につくられたシステム」を否定するのと同じです。

odanより引用

まとめ

トリアージの優先順位は相対的に変化する

大規模災害以外でも助かる命を助けたいなら救急救命士の処置拡大

トリアージとは限られた医療資源で1人でも多くの命を救うことを目的につくられたシステム!

補足

黒タグ=搬送しないではなく、搬送順位が低いだけで状況によっては搬送する場合もあります。

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